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執筆者の写真Kate New Zealand

メーカー訪問

更新日:2021年8月21日

おとといメーカー訪問をしてきました。


取引を開始した時はちょうどコロナロックダウン中、その後はレベルの数値が高く不要の外出、高齢者への接触を控えなければならなく、それらが終わったら今度は学校の春休みが始まってしまい子育て中の従業員さんに休みを出すためメーカーそのものがお休み(←この、企業が家族中心に回っている感じがニュージーランドらしく、のどかですよね~)など、いろいろあってなかなか実現できなかったメーカー訪問でした。


世界で一番最初にマヌカハニーをスキンケアに応用することに成功したパメラさんは予想通りの情熱とこだわりを持っておられ、私達の話が尽きることはありませんでした。今回のブログは長文です。ただでさえ長い話が更に長くなってしまうので、パメラさんとの対談の内容は別のブログでまとめることにします。



2020年10月21日 晴天

自宅からおおよそ35分の距離。途中からは100%田舎山道となり、法定速度の80キロなど早すぎてとても無理。気がつくとうしろに4台、5台、6台と行列が増えていくのがわかります。ニュージーランドの田舎ドライバーは優しいのできっと皆さん気にしていないと分かってはいるものの、心配性の私は申し訳ない気持ちと、焦る気持ちで嫌な汗が。これだから、田舎に行くのは苦手です。何度か車を路肩に駐めて渋滞解消に努め、ついでにこの写真を撮りました。



目的地に近づくにつれ、こんな不安な感じの山道に。Google Mapの恩恵を100%肌で感じることができるときでした。もし、ナビがなかったら即、道に迷いそうな雰囲気です。街灯、民家がないため、もしそれが夜だったりしたら、生きた心地がしないレベルの暗さとなりそうです。


この先をもう少し進むと海岸線に行き着くそうです。アピケアのはちみつ、みつろうは海岸線から山にかけて、この一帯に仕掛られた巣箱から採取されます。


本当に、自然しかない環境です。

寂しすぎる田舎道をさらに進むと少し人間が住む場所っぽい雰囲気になり、ホッ。


遠くに見えるのが、パメラさんとチャールズさんの住居兼工房です。新しく見えますが、建築は12年前だそうです。


ちょっとズーム。


養蜂を体験させてもらいました。


正直、虫は苦手なのですが、この状況ではそうも言っていられません。パメラさんも苦手みたいで、ものすごく遠いところから眺めておられました。パメラさん、ズルい~。



息子さんであるマイクさんが丁寧に手順を見せてくださいました。


巣箱はこのように自然の風景の中にぽんと設置されています。




こちらは三段重ねの巣箱。四段重ね、五段重ねのものもあります。それぞれの重ねが、独立したお城となっており、中には一匹の女王蜂が住んでいるそうです。


いきなり巣箱を開くと蜂さんたちを驚かせてしまうため、まずは煙でごあいさつ。

巣箱を開くには結構力が必要で、開く時にバリッと音がします。縁にぴったりと貼り付いているのは、はちみつではなくプロポリスだそうです。


手に乗っているのがプロポリスの原形です。養蜂スーツで視界ほぼなしの状態での撮影は見事にピンぼけ。


巣箱の中は更に区切られています。取り出す前にはふたたび煙でごあいさつ。


引っ張り出すと黄金色のはちみつがタラ~。両手でしっかりと支えないと持ち上げられないほどたっぷりとはちみつが詰まっています。


幾何学模様に見えるのがみつろうの原形。穴の大きさ、形は見事に正確。蜂さんって几帳面です。これを精製してスキンケアに利用します。


養蜂家は病気などの状態を確認するため週1回~10日に1度程度巣箱を開けて点検します。


巣箱の中は働き蜂のがんばりにより37度に保たれているため、気温が低い冬場は中の温度を下げてしまわぬよう、暖かい時を選んで点検作業を行うそうです。


これらの巣箱は見学者用に居住地の敷地内に設置してあるためアクセスが簡単ですが、その他の巣箱は自然の中に設置してあるためそこまでのアクセスが一苦労、そして、ひとつひとつの箱が重たいためかなりの力仕事です。アピケアの巣箱はこの地域の広域に設置されてます。


養蜂家に女性が少ないのは、虫が苦手というよりも、力仕事だからみたいです。



蜂さん、君たちが女王蜂のために一生懸命集めたはちみつをもうすぐいただくよ。なんだか、ごめんねという気持ちになります。


このブログを読んでいるみなさんも、これからはちみつの恵みは最後の一滴までありがたくいただきましょう。



アピケア創設者であるパメラさんとチャールズさん。


チャールズさんは小学校に入りたての頃から養蜂の世界にいるそうです。養蜂スーツでお顔が見えませんが、力仕事のほとんどは息子であるマイクさんにも引き継がれています。



息子のマイクさん。


ちなみに、マイクさんと私は同年代。子どももちょうど同年代です。


専攻は経営学でこれまでにいろいろなプロジェクトに関わってこられたが、一番最後の仕事はBriscoesRebelスポーツグループのEコマース開発だそうです。Briscoesは私の大好きな家庭用品のお店で、昨日も素敵なボーンチャイナのマグカップを購入したばかり。ニュージーランドに住んでいる女性でBriscoesを好きでない人はいないと思います。外資、電子販売の参入により地元販売業界全体が落ち込んでいる中で、Briscoesは早期にオンライン注文や、ハイブランドの取り扱いに着手し、株価を上げて一人勝ち状態の高い評価を受けているという記事を2年前に見たことがあるような。その功績の裏にはマイクさんの努力もあったようです。数年前に読んだ記事に、私の自慢の一眼レフカメラをはちみつでベタベタにしちゃった、目の前のお茶目な人関わっていたことを知り、改めて、ニュージーランドという国の小ささを実感しました。


ちなみに、ニュージーランドでは人は3人さかのぼると誰とでもつながると言われており、私の経験上、それは本当です。


身近なところで例えば、息子が日本で通っていたインターナショナル幼稚園のニュージーランド出身の先生は、夫の同級生のお姉さん。大きなところでは例えばニュージーランドの前首相は、私が勤務している会社の役員で時々ダイレクトメールが届いたり、社員イベントにいる具合に。


思えばニュージーランドってかなり小さな村社会です。それなのに、人と比べたり、急いだりする習慣がないせいでしょうか。窮屈さが全くありません。だけど小さな村社会ならではの正直さ、悪い事は社会が許さない文化は定着しており、これらがミックスされてのんびりと、おおらかな暮らしやすさを形成しているのかな。と思います。もちろん、国の規模が小さい、建国が新しく歴史が浅いがための弱点もたくさんありますけど。


会社訪問とは全く話がそれてしまいますが、建国に関わってもう一つ。ニュージーランドが建国された時はちょうどアメリカの南北戦争のあと、世界の世論が奴隷廃止に傾き切ったあとであったため、奴隷制度との関わりを持たずに建国とその後の発展を迎えることができました。奴隷制度のような圧倒的な差別を経験すると、違う人種が一つになることがなかなか難しそうです。ニュージーランドのおおらかさの背景にはこのような歴史的幸運もあったのではないでしょうか。


ニュージーランド人、ニュージーランドの企業ももちろん、他の国と同様に失敗することもあります。しかし、争いや糾弾という文化が他の国と比べるとほとんどゼロと呼べるレベルに希薄なため、失敗の告白、商品のリコールが気軽に行える雰囲気があります。正直に告白した人や企業は、世間から糾弾されるなど、犯した失敗以上に責められることはなく、その後は人も企業もまたやり直せます。


監視の目は厳しくあるべきです。では、世間から責任を厳しく問われる風潮の中で経営を行う企業は消費者のためにより安全な製品を世に送り出すことができるでしょうか。私は世の中はそんなに単純なものではないと考えます’。責任をとるために誰かが首を切られる組織、世間からの批判の声が強すぎる社会だと、消費者よりもまず、社内での自分個人の立場を、自社を守ることを優先し、結果、失敗を隠蔽する文化を生み出しかねないからです。


つい数ヶ月前、ニュージーランドでは有名なハンドクラフトチーズ製造会社が大規模なリコールを発表し、新聞、チーズ売り場、スーパーのレジなどで大々的に告知されました。しかし、そのチーズメーカー、製造に関わる人が個人的に追跡されるような動きは全くありませんでした。企業のFacebookも問題なく運営されています。企業が犯した罪以上の償いを求められるかもしれないというような余計な心配をする必要なく、失敗をオープンに公表できるニュージーランドの正直な気質。これは国の財産だと私は考えます。ニュージーランドは小さくて素朴な国ですが、企業にとっては安全性を確立、維持しやすい土壌が整った国です。


ニュージーランド製品の安全性について、これまで深く考えることはありませんでしたが、今回のメーカー訪問を通じて色んな分野において結構深く考えさせられました。


このブログを読んでいるみなさんも、もし、お店でニュージーランドの商品を見かけたらぜひ手にとってみてください。


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